昔の英虞湾(あごわん)には、いろいろな種類の魚貝類、生物がいました。
人々は、魚を釣ったり、泳いだりと英虞湾は生活と一体となってました。
ところが今、英虞湾の環境は非常に悪化しています。
国分さんが実際にもぐって撮影した海の中の様子を見せてくれました。
地域によっては海底にドロ(ヘドロ)が堆積して、海藻も魚もいない海になっているところもありました。
海水ではなく海底が汚れていることで、海底にたまった汚れが、「赤潮」と「貧酸素化」を引き起こしているのだそうです。
海底が汚れる原因として、
・チッソやリンを含んだ生活排水が英虞湾に流れ込み、植物プランクトンが増えて赤潮が発生しやすくなる。
・1960年代には700万トンもあった漁獲高が貧酸素化で全くとれなくなってきている。
・干潟(ひがた)とアマモ場は、海底を汚れにくくする働きがあるが、干拓(かんたく)により約70%を消失し、海の浄化力がとても低くなっている。
・真珠養殖からでる貝のよごれを海に捨てる。
干潟(ひがた)とは、潮の満ち引きによって水面から出たり入ったりする、砂と泥でできた場所のことです。
干潟には生物がたくさんすんでいて、アサリなどが水の中に浮いているものを食べ、それを野鳥や魚が食べる食物連鎖の形で干潟の外に運んでいくことで水を浄化します。
国分さんの話では、英虞湾は都会の海と比べればまだまだきれいなのだそうです。
人工干潟を増やすことと地域住民が環境意識を高めることで英虞湾は再生できる可能性があることがわかりました。
<参考文献>
英虞湾 新しい里うみへ
(財)三重県産業支援センター
三重県科学技術振興センター 水産研究部