2012」が開催されました。
最初に三重県水産研究所(浜島)の松田浩一 氏が「三重県における海女漁業の
現状」について話してくれました。
海の博物館による2010年調査によると現在の海女の人数は、鳥羽市が565人、志摩市
が408人とこの20年で半減しています。
また、海女の大きな収入源である「あわび」の収穫量も25年ぐらい前(平成元年)と
比べても10分の1以下まで落ち込んでます。
志摩市でも稚貝の放流などで「あわび」を育てる施策で、安定的に取れるよう試み
られてます。
ディスカッションにおいて男海女の方が「志摩市が提供する稚貝は1センチで、生存率
が低いので、3センチほどのものにできないのか」といった質問が投げかけられました。
現状は海女さんたちが稚貝を育てているそうです。
三重大学人文学部教授の塚本明 氏による「志摩海女の歴史と文化」について語って
いただきました。
志摩海女を存続させるために稚貝の放流、資源管理、加工品の開発などを積極的に進めて
いく必要があります。
海女の漁期は非常に短いので、見習いの海女が生活できるよう行政、漁協などによる
支援も後継者の育成の観点から重要です。
(現在、60代〜70代と高齢化しており、これから20年が大事)
観光海女についても、エロティズムを売るのではなく、海女の生活や自然の中で働く姿
を発信していくべきと訴えられてました。
質問も活発に出て、海女を守ることが里海里山にもつながる重要な課題であることを
再認識させられました。

左から塚本 明 氏(三重大学 人文学部 教授 )、
松田 浩一 氏 (三重県水産研究所 水産資源育成研究課 主幹研究員兼課長)

右から石原 善剛 氏 (海の博物館 館長・海女振興協議会 会長)
野村 一弘 氏 (有限会社兵吉屋 代表取締役社長)
(参考資料)
文化フォーラム2012-1.pdf
(志摩海女の歴史と文化)
文化フォーラム2012-6.pdf
(三重県における海女漁業の現状)