て考えてみます。
生活保護は、現に生活に困っていれば誰でも権利として受けられるもの
です。
住まいがない、年金が少ない、就労収入が少ないなどの場合に不足分を
受けることができます。
僕の知人に精神障害者と言うことで生活保護をもらっている人がいます
が、テレビで報道しているような気楽な生活をしているわけでもありま
せん。
「正直者がバカを見る」
「不正受給が横行している」
「働くより生活保護をもらった方が楽で得」
「不良外人が日本の制度を壊す」
「日本人の美徳である恥の意識が薄れて気楽に生活保護を受ける人が増
えている」
「まじめに年金保険料を払ってきたのに年金よりも生活保護費の方が
高い」と言った意味合いも含まれてます。
まじめに働いて保険料を納めても生活保護以下の賃金や年金しか得られ
ない労働法制や年金制度に問題があると言っては語弊があるのでしょう
か?
ところが、実際に「不正受給」は、金額ベースで受給者全体の0.4%
にすぎず、逆に利用資格がある人のうち現に利用している人の割合(捕
捉率)は、2〜3割にとどまっています。
むしろ生活保護が必要な人に保護が行きわたってないことの方が問題な
のです。
実態とかけ離れた報道に以前から違和感を感じてましたが今回は、「ヨ
ーロッパの国々の生活保護と比べてみる」というテーマで読んでみまし
た。
日本の利用率は、1.6%、先進国(イギリス9.3%、ドイツ9.7%、フラ
ンス5.7%)と比べると異常と言っていいほどの低さです。
今回の生活保護バッシングで直接たたかれているのは、生活保護制度であ
り、その利用者です。
しかし、実は、まな板に載せられているのは、雇用や社会保障の制度のあ
り方です。
目下の状況をすべて生活保護制度のせいにしようとすることは、、雇用や
社会保障の制度の不備に目をつぶるという選択をすることです。
(間違いだらけの生活保護バッシング P7 引用)

(2011年と1951年の生活保護受給者の比較)

(各国の生活保護利用率・捕捉率)