昨年12月14日に阿児アリーナで三重大学・志摩市共催の文化フォーラムで、
三重大学医学部附属病院 中央放射線部・画像診断科 佐久間 肇氏の
医療と被ばくのレジュメを読み返してます。
僕たちに身近で役に立つ放射線として、画像診断の機器があげられます。
画像診断とは、人間の体内の様子を画像として表現し、お腹を切らずに病気
を診断する方法をいいます。
機器の例として
・CT(X線)
・MRI(磁石と電波)
・超音波(音)
・核医学(ガンマ線 放射性同位元素)
があげられます。
病変が起こった時の
1.早期発見
2.適切な診断⇒適切な治療
3.治療効果の判定
により寿命が延びたり、QOLの改善が期待されます。
僕らの体の中にも放射線物質があることを知らない方は多い
はずです。(被爆国であるためか、学校でも教えないし習ってない)
体重60sの日本人の体の中には
カリウム40 4000ベクレル
炭素14 2500ベクレル
ルビジウム87 500ベクレル
鉛210・ポロニウム210 20ベクレル
セシウム137 20〜60ベクレル
トリチウム 50ベクレル
の放射性物質があり、ほんのわずかながらも放射しています。
食べ物にも自然放射線があり、「カリウム40」でみると
(単位:ベクレル/s)
ビール 10
ホウレンソウ 200
牛乳 50
お茶 600
米 30
魚 100
乾燥こんぶ 2000
干ししいたけ 700
※出典 原子力安全研究協会
「生活環境放射線データに関する研究」より
他に炭素14、ルビジウム87、鉛210など案外たくさんあります。
それを摂取して健康を維持することもできるし、微量だけれども放射線を体から
出していることを僕も知りませんでした。
他にラジアルタイヤの放射線照射、ゴールド20世紀梨がガンマ放射によって誕
生したこと。
アメリカではテロ事件以降、炭疽菌対策、O157対策、ハンバーガーバクテリア対
策、インシュリンなどの採血用の針のガンマ線殺菌、ジャガイモの発芽防止のた
めの照射など、後で放射線の本を読んでみるととても理解が進みました。
こんなに役に立ちおもしろい話を聞きにくる人が少ないのは、志摩市民として
非常に残念でした。
来年は一人でも多くの人が文化フォーラムに参加してもらいたいものです。
(参考)
私たちは、なぜ放射線の話をするのか 木本敦子・あおみゆき・東嶋和子
WAC
2012年01月06日

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