2010年09月10日

聖(さとし)の青春 第1章 折れない翼  大崎善生 著  講談社

 今日も日中は温度があがりましたが、家の中でも28℃までしか上がりませんでした。

まもなく秋がやってくるそんな予感を感じます。


 
 これは、わずか29歳で他界した天才棋士 村山聖(むらやま さとし)の青春の物語です。

聖は幼い頃からネフローゼを患いその宿命ともいえる疾患とともに成長し、熾烈で純粋な人生をまっとうしました。


 昭和44年6月15日に広島大学付属病院で村山聖は誕生しました。

3歳になる頃までは、元気で誰にでも愛きょうを振る舞い人気者でした。

昭和49年6月、5歳の誕生日を迎えた聖は、ひどい高熱に襲われます。


それから幼い聖と病気との闘いが始まります。

広島市民病院に入退院を繰り返した後、ある日父親の伸一が将棋盤を持って「一局やってみるか」と聖と将棋を指しました。

その晩、聖は眠れないほどの高揚感で寝つくことができませんでした。

「父ちゃん今度いつきてくれるんじゃろ」と心待ちになってきます。


 母親のトミコは、聖から「将棋の本を一冊買ってきてほしい」と頼まれます。

将棋の知識の全くないトミコは、古本屋さんで加藤治郎名誉9段の“将棋は歩から”を買ってきます。


小学校一年生で漢字も読めない聖でしたが、何度も読んでいくうちに将棋に対して興味がわきあがってきます。

病状はおもわしくなく小学校2年の時に、難病と闘う子供たちがたくさいんいる国立腹療養学校に行くことになりました。

 
ぜんそくの子は一晩中、せきとぜいぜいと苦しげな呼吸を繰り返してました。

幼い命はまるでプラモデルのように簡単に壊れていきます。

療養所の生活には日常的に死がありました。

 そういった現実にいら立ち、大人への反抗は熾烈を極めました。


 ただ将棋を知りそれにのめりこんでいく聖は、自由に体を動かせないいらだちや友達の死という絶望感を自分自身の内に抑え込むことができるようになってました。


毎日6時間、本を読んでいただけでしたが、広島のアマチュアでは勝てるものがいなくなります。

 昭和57年に谷川浩司という天才の出現により、子供たちのあいだで将棋が大ブームになります。

中学生になった聖は、奨励会に入って谷川を倒したいという確固たる目標ができます。


 その後、大人のエゴに振り回され聖は、抜群の成績ながら奨励会に不合格とされてしまいます。

将棋の道を閉ざされた聖の翼はもう少しで折れそうになってました。




聖の青春  大崎善生

posted by さっとん at 18:55| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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