最近は全く将棋を指すことはなくなりましたが、学生時代は自分の取った敵陣の駒を利用できるゲームのおもしろさにはまってました。
僕は鋭い攻めで「光速流」と言われた谷川浩司名人と同世代(60年代)なのですが、当時最強の中原名人を20代の若者が破ったことで注目されました。
85年から90年まで「谷川時代」と言われるほど天下を取った状態でした。
90年代に入り谷川名人の10歳ぐらい年下の羽生善治永世名人や「藤井システム」で将棋の革命をおこした藤井猛、佐藤康光など「羽生世代(70年代生)」が続々と台頭してきます。
僕が今読んでいる“WEB進化論”という本に羽生さんが、「ITやネットが将棋に及ぼす影響・変化」について語ったことが書かれてました。
「ITやネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです。
でも高速道路を走り抜けた先で大渋滞が起きてます」
(WEB進化論 梅田望夫 著 P210)
一昔前は、弟子入りして師匠の身の回りの世話までしてすこしずつ強くなっていきました。
ところが、この10年のネットの進歩で強くなるための方法や定跡研究、データベース化や計算方法などの情報の整理をほんのわずかなコストで共有できるようになり、ちょっと将棋の勉強に没頭すればプロの一歩手前まで(アマチュアの最高峰)は多くの人が一挙にいけるようになりました。
ただそこから先が大渋滞なのだそうです。
羽生さんは、この大渋滞の先をどう生きるかのヒントを示してくれてます。
これは将棋の世界だけでなく、あらゆる分野で起こっている大変化なのだ思います。
ネットとどうつきあっていくかも個人に課せられた緊急の宿題のような気がします。
2009年01月05日

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